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タイトル |
環境法の開拓線(カンキョウホウノカイタクセン) |
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環境法・行政法研究者としての将来を嘱望されながら、2020年に逝去された松本充郎先生の業績を記念し、生前親交の深かったさまざまな専門分野の研究者が一堂に会し、それぞれの視点で「環境」にアプローチする論文集。
・広範かつ多岐にわたる現代の環境問題について、環境法・行政法・国際法等さまざまな分野における第一線の研究者による最新の研究成果を集約。
・テーマ別に整理された目次構成により、環境問題の今日的な課題を体系的に理解することが可能。環境法研究を横断的・理論的にサポートする一冊。
第1部 環境法総論・不法行為
・自然の権利の国際的展開(大久保 規子)
・国際的武力紛争における環境損害の防止─国際法委員会「武力紛争に関連する環境保護原則草案」の検討を手がかりに(堀口 健夫)
・環境基本条例の理論モデル(原島 良成)
・アメリカの費用便益分析と司法審査(筑紫 圭一)
・共同不法行為論の開拓線(大久保 邦彦)
・民法719条1項後段類推適用の正当化根拠についての立法史的視点からの考察(松原 孝明)
第2部 自然資源・公物の管理
・国際河川をめぐる対立と協力─国際政治学の視点から(湯川 拓)
・米国における州際地下水紛争の国際法への示唆─ミシシッピ州対テネシー州事件最高裁判決を素材として(鳥谷部 壌)
・海洋環境の保護に関する法枠組み(野村 摂雄)
・漁業資源管理の構造変化─二つの管理手法の相克と合流(久保 はるか)
・北大西洋さけ保全条約に基づく北大西洋さけ保全機構(NASCO)の機能の展開─漁業と環境にまたがる「ハイブリッド」の地域漁業管理機関(RFMO)?(児矢野 マリ)
・交錯する森林環境税(飯國 芳明)
・フランスにおける非森林所有者によるキノコの採取について─私有林における現行法の規定を中心に(古井戸 宏通)
・未墾地買収事件に見る価値の衝突と司法審査(交告 尚史)
・上野国多々良沼における肥料採取─19世紀中葉を中心に(坂本 達彦)
・私有公物論─自然資源の「公物化」に向けて(三浦 大介)
第3部 エネルギー・気候変動
・原発民事差止訴訟の意義と判断構造(大塚 直)
・環境リスク行政の不作為と予防原則の採否─最判令4・6・17(福島原発事故国賠最判)を契機として(清水 晶紀)
・原子力発電所の基準地震動策定における過誤欠落(赤間 聡)
・再エネ発電事業計画認定要件としての「必要な関係法令(条例を含む。)の規定を遵守」(北村 喜宣)
・気候変動防止と異時点の自由保障(松本 和彦)
・サステナビリティ情報の法定開示の意義─気候変動関連情報を中心として(梅村 悠)
第4部 文化的環境
・景観利益と抗告訴訟の原告適格ー篠山景観訴訟を機縁として(島村 健)
・天守の木造復元を巡る法的課題(越智 敏裕)