初期のSFファンタジー『オットーと魔術師』収録の表題作品を酒井駒子の挿絵と共に。みずみずしさを織り込み、鮮やかで不思議な印象を残す4作品。
酒井駒子の描きおろし作品を添えて、
幻の初期ファンタジー作品、待望の復刊
今は亡きあの人が、こちらの世界に存在できるのは、午前零時まで。
思いがけない邂逅の行方は……
幻の初期ファンタジー小説集『オットーと魔術師』収録の表題作品が、酒井駒子の挿絵とともによみがえる。今は亡き人が大切な人のもとを訪れる、その仲立ちをするのは謎の日本人ビジネスマン、タキ氏。まばゆさと湿り気、黒塗りのリムジン、どこかでひりひりと鳴り続ける電話の音、梅雨を彩る植物……みずみずしい初夏の空気を存分に織り込み、夏の入口にふさわしい、鮮やかな印象を残す4つの小説。解説 東雅夫
第一話 オリーブ・トーマス
第二話 ワン・ペア
第三話 通夜の客
第四話 夏への一日
『初夏ものがたり』解説 東雅夫
装画 酒井駒子
カバーデザイン 名久井直子