弟の死の真相を探ることは、
わたしたちの人生を知ることだった。
マイクル・コナリー、ジェイムズ・パタースンらが
絶賛した実力派作家による一人の男の
再生を描く傑作ミステリ。
弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった。車で何度も轢(ひ)かれて殺されたのだという。保安官のヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になっており、悲しみは湧かなかった。だが弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれて……。姪(めい)との交流と真実を追い求める旅路が、ヴィクターの灰色の人生を切なくも鮮やかに彩っていく。一人の男の再生を描く、心震えるミステリ。解説=三橋暁