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タイトル |
集積の経済学(シュウセキノケイザイガク) |
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近年における交通費と通信費の劇的な低下は、経済活動における距離や立地の重要性を死滅させたわけではない。世界はフラットになったわけではなく、むしろ、交通費や通信費の低下によって新たに顕在化された新しい「力」によって、経済活動は場所や地域、国家といった地理的広がりにますます不均等に分布するようになった。
本書は、こうした交通費と通信費の大きな低下によって顕在化された新しい力の方向性、なかでも高い生産性を持った現在の大都市を出現させた力について、その活動の集積を生み出すメカニズムを明らかにするものである。
本書の最大の特徴は、都市・地域経済学の古典的な基本文献から最近著しい発展を見せている「空間経済学」の最新の研究成果までを踏まえて、様々な空間的規模における経済集積の出現と経済効果を統一的なミクロ経済モデルによって分析し、かつわかりやすく説明している点にある。
日本語版への原著者序文
第2版への序文
謝辞
第1章 集積と経済理論
第1部 空間経済学の基礎
第2章 空間経済における価格メカニズムの崩壊
第3章 チューネン・モデルと地代形成
第4章 収穫逓増と輸送費:空間経済における基本的なトレードオフ
第5章 都市と公共部門
第2部 大都市圏の構造
第6章 コミュニケーションの外部性の下での都市空間構造
第7章 不完全競争下での都心の形成
第3部 要素移動と産業立地
第8章 独占的競争下の産業集積
第9章 市場規模と産業クラスター
第4部 都市システム、地域成長、および企業の多国籍化
第10章 フォン・チューネンへの回帰:空間経済における都市の出現
第11章 グローバル化、成長、およびサプライチェーンのフラグメンテーション
参考文献
訳者あとがき
索引