「エシックス経営」とは、「倫理を基軸とした経営」を指す。著者は2021年春に刊行した『パーパス経営:30年先の視点から現在を捉える』で、ビジネス界にパーパスブームを起こした、日本を代表する経営コンサルタント。刊行から3年経った今、立派なパーパスを掲げる企業は増えたものの、その実践に行き詰まっているところが出てきている。それは「パーパス」というきれいごとを実践するには、倫理を日々の行動原理にまで落とし込むことが求められているからである。倫理は単なるコンプライアンスのためにあるのではなく、社会価値を生み出し、それを経済価値に変換し、さらに社会価値の向上のために再投資するという良質な資本主義、ひいては持続可能な社会と経済の発展のための基軸となる。本書では、なぜ今、倫理を基軸とした経営が求められているのか。哲学、経済学、経営などにまつわる思想と、国内外の企業事例などから論じる。
第1部 エシックス経営とは何か
第1章 倫理が問われる理由
第2章 倫理の多義性
第3章 エシックス経営の時代
第2部 エシックス経営の実態
第4章 アメリカ企業の群像
第5章 日本企業の群像
第6章 アメリカ流と日本流
第3部 エシックス経営の実装
第7章 統治から自治へ
第8章 シン三位一体の経営
第9章 リーダーシップの新地平
第4部 エシックス経営の最前線
第10章 空間軸:共生経営
第11章 時間軸:共時性経営
第12章 価値軸:異結合経営