南アメリカ原産で、世界を代表する野菜として知られるトマト。家庭菜園や学校菜園でおなじみなだけでなく、イタリア料理をはじめ世界各地の食卓に彩りを添えてきたほか、近代にはトマトケチャップやトマト缶など、ファーストフードの発達とも関連が深い。現代では、栽培技術や品種改良など、農学研究の最前線に立つ作物でもある。アメリカのリンカーン暗殺計画にトマトが使われた?など、歴史上のエピソードも交え、その成り立ちや育ち・栽培、国内外の生産事情、利用・加工・食文化、社会・経済とのかかわりを描くビジュアル大百科。
1.トマトという作物
世界でもっとも多く食べられている野菜
アンデス地方で生まれ、中央アメリカで栽培がはじまる
ヨーロッパ、アジア、そして日本へ 世界の食卓を変えた
さまざまな形、大きさ、色 生食用と加工・調理用
2.トマトの育ちと栽培技術
トマトの育ち1 発芽と初期の成長、苗づくり
トマトの育ち2 茎・葉の成長と開花・結実
トマトの育ち3 果実の肥大と成熟、そして収穫へ
露地栽培から施設栽培まで さまざまな作型
病害虫からトマトを守り、生理障害を防ぐ
環境保全や高品質化、収益性を追究した栽培技術
品種改良のしくみ、 選抜育種から交雑育種へ
3.トマトの調理と加工
トマトのおもな栄養成分と基本的な調理法
ピューレー、ソース、ケチャップ… さまざまな加工品
世界のトマト料理1 ヨーロッパとアメリカ大陸
世界のトマト料理2 アジア・アフリカ諸国
4.世界のトマト
世界のトマト生産と加工産業、貿易のいま
ヨーロッパのトマト生産(地中海沿岸と北ヨーロッパ)
北アメリカのトマト生産(アメリカ合衆国)
アジア・アフリカ諸国のトマト生産
10aあたり100t以上にも 世界が注目するオランダの多収技術
5.日本のトマト
明治時代から現代まで 野菜としての生産と消費のあゆみ
生食用トマトのおもな生産地と産地リレー
日本での品種改良 栽培適性や食味を追究
加工用トマトの生産と加工産業、加工品の貿易
品種改良の高度化と多様化 遺伝子レベルの技術の活用
持続的なトマト生産と未来の生産に向けて