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タイトル |
くじらのいるこみち(クジラノイルコミチ) |
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自然の中のなりわいや野遊びの伝道師として、聞き書きの名手として、自然と人、人と人、子どもたちのありようを見つめ続けてきた塩野米松さん。昭和、平成、令和……、人新世ともいわれる現代、その先の未来。時代や社会、環境が大きく変わっても、したたかな命を宿して変わらずあり続ける大切なものを、5つの珠玉のおはなしに託して、自然といのちの輝きを圧倒的な画力で描いてきた当代一流の絵本作家5名との夢の共演により、子どもたちに語り伝える豪華絵本5巻シリーズ。第2回配本は『くじらのいるこみち』。住宅街の外れ。「へたさん」というおじいさんの家の前だけ土の道が残り、草木の花が咲く。頑として舗装を許可しない。近所に越してきた「ゆかちゃん」は土の道が大好き。雨後の水たまりはゆかちゃんの「海」。金魚を放そうとして止められる。翌日、たくさんの魚が、次の日には大きなクジラが現われる。自在なタッチで自然・人・いのちを鮮明に描く、はたこうしろうによる路地の小宇宙。
【著者】
文:塩野米松(しおの よねまつ)1947年秋田県生まれ。東京理科大学卒業。作家。各地を旅して、小説や職人・漁師などの聞き書きを執筆。「聞き書き甲子園」を創設し、長年講師を務める(第33回みどりの文化賞)。絵本に『なつのいけ』(ひかりのくに、第8回日本絵本賞大賞)、『おじいちゃんの小さかったとき』(福音館書店)、『かぐやのかご』(佼成出版社)など。著書に『木のいのち木のこころ』、(新潮文庫)、『木の教え』(ちくま文庫)、『失われた手仕事の思想』(中公文庫)、『いなほ保育園の十二ヶ月』(岩波書店)、『野外探検大図鑑』(小学館)、『少年時代』(理論社)など。芥川賞候補4回。
絵:はたこうしろう(秦 好史郎)1963年兵庫県生まれ。絵本作家、イラストレーター。絵本に『なつのいちにち』(偕成社)、『しりとりのだいすきなおうさま』(鈴木出版)、『ぼくはうちゅうじん』(アリス館)、『どしゃぶり』『あなたがおとなになったとき』「ショコラちゃん」シリーズ(講談社)、『むしとりにいこうよ!』『こんにちは!わたしのえ』(ほるぷ出版)、「クーとマーのおぼえるえほん」シリーズ(ポプラ社)、『ゆらゆらばしのうえで』『あかちゃんがやってきた』(福音館書店)など。『二平方メートルの世界で』(小学館)で第3回親子で読んでほしい絵本大賞。