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タイトル |
エレクトリック・シティ(エレクトリックシティ) |
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「見果てぬ夢」の物語
「狂騒の1920年代」、アメリカで最も影響力のある偉人、自動車王ヘンリー・フォードと発明王トーマス・エジソンがとてつもない「夢の町」建設プランをぶち上げた。巨大ダム、クリーンな水力発電、自家用車に幹線道路など、当時の最新技術を駆使して、アラバマ州テネシー川流域の貧困地帯を一大テクノ・ユートピアに変貌させようという壮大な構想だ。さらには強欲な金融勢力の支配を排除すべく、独自通貨も発行するという。
地元住民や同州選出議員らはこの構想に希望を抱き、現地を視察に訪れた2人を熱烈に歓迎。だが一方、首都ワシントンでは一部の有力議員や慎重派がこれを巨大企業による詐欺まがいのスキームと見て猛反発した。ユートピアか、いかさまかー。両者の熾烈なバトルが10年以上にわたって繰り広げられた末、フォードを警戒する共和党保守派の重鎮、クーリッジ大統領との取引が暴露され、「フォード構想」は突然の幕切れを迎える。
新たな暮らしのモデルを提供する「夢の町」構想と、それを取り巻く濃密な人間模様を通して、「ジャズ・エイジ」からニューディール政策へと転換するアメリカ社会を描いた傑作ノンフィクション。
[目次]
第1部 マッスル・ショールズ
第1章 川が歌う土地
第2章 戦時下の夢の町
第3章 ヘンリーおじさん
第4章 毎秒八ドル
第5章 大統領とキャンプする男
第6章 政治と宣伝
第7章 二人の魔術師
第8章 立ちはだかる壁
第9章 ヘンリー・フォード大統領
第2部 繁栄の町
第10章 湿地とウイスキーと
第11章 たった一人の戦い
第12章 全長七五マイルの都市
第13章 政界という汚らしい溝(どぶ)
第14章 最後の会談
第15章 スキャンダル
第3部 TVA
第16章 アラバマの幽霊
第17章 新たなるディール
第18章 政府のために死ぬのよ
第19章 エレクトリック・アメリカ
第20章 大空の徴(しるし)
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
主な参考資料
参考文献一覧