|
タイトル |
ヘルダー人間学 その前史と展開(ヘルダーニンゲンガクソノゼンシトテンカイ) |
|
生の複雑性を鑑みた陶冶(Bildung)概念をいかに想起しうるか。ヘルダーの思想を中心に、啓蒙思想における陶冶概念の成立と先行思想を再構成し、現代思想への接続可能性を提示。
日本語版への序文
序 論
第一章 研究の主題と構成
第二章 有機体論的陶冶理念と機械論的陶冶理念
1 陶冶の機械論的見方と有機体論的見方の区別
2 一八世紀の学問における人間、自然、歴史の理解の変容
3 一八世紀における陶冶概念の変化
第1部 一八世紀啓蒙思想における感覚の陶冶理論の足跡
第三章 一七世紀の遺産ーー経験論、合理論、美的人文主義
1 認識の根源としての身体と精神の技術者としての自我ーージョン・ロック
2 モナドの身体としての肉体ーーゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ
3 身体・魂・精神の美的調和的統一ーーアントニー・シャフツベリ伯爵
第四章 生命の擁護ーーフランスの感覚論と生気論に用意された有機体論的陶冶思想
1 思考する物質ーーラ・メトリとコンディヤック
2 感覚と概念のはざまにある経験領域ーードニ・ディドロ
〔補論〕ドイツにおけるフランスの感覚論、唯物論、生気論の受容
第2部 ヨーハン・ゴットフリート・ヘルダーーー陶冶過程の有機体論的原理
第五章 感覚の陶冶ーー美学と感性論理学
1 文化史的背景と美学の陶冶理論的意義
2 ヘルダーの陶冶概念にみられる美学的伝統と生気論的伝統の交差
3 魂が感受したものから発生する「趣味」
4 三つの主要感覚とそれぞれの特徴
〔補論〕「輪郭線」と「陶冶」
5 諸感覚の共感覚的陶冶
第六章 感受と認識ーー言語の中での自己の構成
1 感受から認識へーー自我の自己変容
2 自己活動による陶冶の媒体としての言語
3 認識批判と陶冶理論
第七章 自然と歴史の間でーー文化形成としての陶冶
1 個別的普遍ーー歴史的性格記述の諸問題
〔補論〕人類の過去の時代について
2 歴史の相対性と歴史の進歩
3 ライフヒストリーと文化史の原理としての陶冶ーーヘルダー陶冶理念の総括と批判
第3部 感性論理学的陶冶理論の展望
第八章 交差1 陶冶の身体制約性
1 諸秩序の差異としての主体
2 精神の感性論理学ーーヘルムート・プレスナー
3 歴史的人間学への覚書
第九章 分岐 消失点なき陶冶ーー教育学における個人化定理について
第一〇章 交差2 身体感覚の社会的構成ーーブルデューのハビトゥス構想
[原題]Ästhesiologie der Bildung: Bildungstheoretische Rückblicke auf die Anthropologie der Sinne im 18. Jahrhundert