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タイトル 逆説のプロレス(24)全日本女子プロレス「極悪ヒール女王」列伝(仮)(ギャクセツノプロレス)
著者名 ()
出版社名 双葉社
ジャンル ホビー・スポーツ・美術
isbnコード 9784575459739
書籍のサイズ ムックその他
発売日 2024年08月21日
販売価格 1,650
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1985年8月28日、大阪城ホールには少女たちの悲鳴が響き渡っていた。 全日本女子プロレスのヒールレスラー・ダンプ松本が、宿敵「クラッシュ・ギャルズ」の長与千種と相対した「敗者髪切りデスマッチ」。壮絶な流血戦の末、ダンプが勝利を奪い取った。 試合後のリング。髪切りを阻止しようとするライオネス飛鳥らベビーの選手と「極悪同盟」の面々が激しくぶつかり合う。その混乱の中心で、椅子に押さえつけられるように座る千種の髪にバリカンが入る。無残に切り落とされる、つややかな黒髪。大型ビジョンに坊主姿が映し出されると、悲鳴は絶叫となり、やがて嗚咽へと変わっていったーー。 それは、「極悪女王」誕生の瞬間だった。 若手時代、落ちこぼれだった松本香は、ダンプ松本としてヒールの道に進み、気づけば日本中の憎しみを一身に集めるレスラーになっていた。事務所にはカミソリ入りの呪詛に満ちた手紙が大量に届き、会場では石を投げつけられた。そんな周囲の憎悪をあざわらうように、竹刀を手にしたダンプは、クラッシュ相手に悪事の限りを尽くした。その抗争劇は全国各地で多くの少女たちの感情を揺さぶり、熱狂を沸き起こした。 悪名は無名に勝る。 リングで憎まれれば憎まれるほど、ダンプにはさまざまなメディアからオファーが殺到した。バラエティ番組、人気ドラマ、CM、雑誌……。ダンプ松本というレスラーは、いつしかプロレスの枠組みを超えた存在となった。 1988年2月22日、大田区体育館で引退試合、同28日、地元の熊谷市体育館で引退興行を行い、ダンプはリングを去った。それは、唐突な引退だった。芸能活動で稼ぎまくったギャランティの取り分を巡り、会社への不信感が頂点に達した結果だった。 熊谷での最後の試合後、ダンプはマイクを握った。 「クラッシュファンの皆様、いままでチーちゃんやトンちゃんをイジめてきてごめん」 その言葉に、会場に詰め掛けた少女たちは涙した。 チーちゃんこと長与千種。トンちゃんことライオネス飛鳥。2人とダンプ松本は、かつて「花の55年組」と呼ばれた同期だった。本気で殴り合い、蹴り合い、憎しみ合ったライバルたちが、この瞬間、苦楽を共にした55年組へと戻っていったーー。 2024年9月19日より開始するNetflix配信ドラマ『極悪女王』。 配信開始前から大きな話題を呼んでいる同作の主人公は、プロレス史に名を刻んだヒールレスラー、ダンプ松本だ。絶対的ベビー、クラッシュ・ギャルズのライバルとして、日々、リングの上で暴れ回ったダンプ。ありとあらゆる反則攻撃を駆使し、千種や飛鳥を傷めつけた。 なぜベビー志望だった「松本香」は、「ダンプ松本」になったのか。 『極悪女王』で描かれた世界のリアル、そして全女に紡がれるヒールレスラーの系譜を当事者たちが語る。






 
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