「だいたい運送屋なんてのは、ちょろいもんよ。出発前に荷物をドカンと積みゃあ、あとは気楽なドライブよ。」伸ちゃんはまん丸に目を開いたまま、じっとおれを見てる。へんなやつだ。「つらいといゃあ、じゅうたいにつかまった最中に、便所に行きたくなったときぐらいなもんだな。まあそれも、工夫しだいでどうにでもなるもんよ。たとえばだね…。」おれは立ちあがって、もっとくわしい説明をしてやろうと思った。そこへかあちゃんが帰ってきた。「なにやってんだよ。このすっとこどっこい！」。小学校中級から。