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タイトル |
日本語の連続/不連続(935;935)(ニホンゴノレンゾクフレンゾク) |
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一九二〇年、いまからちょうど百年前、その前後三十年くらいのあいだに、
現在と地続きの、社会的・文化的セットがいっきにそろったように見える。
その代表の一つ、さまざまな雑誌(大衆、市民、女性、子供)の言葉を読む。
ついでに、辞書を、戦争言説も読んでみる。
現代日本語は、ちょうどそのころ、いまから百年前に始まったのではないか?
《目次》
序章
1 一九二〇年はどんな年だったか
経済・労働からみた一九二〇年 国際連盟の発足 大学の整備
2 東京の一九二〇年
岡本綺堂がみた東京 河井酔茗がみた東京 『東京近郊めぐり』の人々
織田一磨の武蔵野
3 一九二〇年という現在
谷内六郎がみた東京 進化論の一九二〇年代 変化の時代への総合的視点
生方敏郎がみた「大正八年夏の世相」 言語の連続/不連続
「かきことば」の標準形/多様性──雑誌・辞書・戦争
第一章 総合雑誌をよむ
1 「東京行進曲」
「長い髪してマルクス・ボーイ/今日も抱える「赤い恋」」 批判と反論
「浮華な現代の首都人の生活」 「近代風景開現」
2 『キング』を読む
「大衆小説」「通俗小説」とは何か?
『キング』の広告──歯磨き・健康器具・薬品 出世・成功の時代
3 『改造』を読む
労働問題 社会主義批判号 『改造』大震災号を読む
第二章 女性のことば
1 『青鞜』を読む
「新しい女」と「古い女」 新しい女の解説
2 プラトン社『女性』を読む
婦人雑誌・文芸雑誌 『女性』の広告を読む 『苦楽』を読む 『女性改造』を読む
3 『新女性』という雑誌
今年の勅題髪 飲料食品今日の相場 新女性の新生活のことば
第三章 こどものことば
1 『赤い鳥』を読む
「純」な子供 「世俗的な下卑た子供の読みもの」?──『日本少年』
少年向け雑誌──『飛行少年』 作文と投稿欄 耳ざわりな言葉
「ふだんお話するとおりの、あたりまえのことば」
2 子供・児童のための/が書いた言葉
『金の船』を読む 『コドモノクニ』を読む 『児童文集』を読む
第四章 大正時代の辞書──現代の辞書のルーツを求めて
1 『大日本国語辞典』を読む
「一大戦艦にも譬うべき」 凡例の示すもの 「普通の学術専門語」 「かんー」
2 いろいろな辞書を読む
『ポケット顧問 や、此は便利だ』を読む 『デヱリー新文化語辞典』を読む
第五章 戦争を語る日本語
1 日露戦争の日本語
「三国干渉」の情報回路 宣戦の詔勅の日本語 詔勅の語彙 新聞・雑誌の戦争報道
2 日露戦争と雑誌の言説
メディアとしての「画報」 『日露戦争実記 戦争文学』を読む 戦争和歌と戦争俳句
3 児童向け雑誌と日露戦争
『児童教育日露戦報』を読む 『少年日露戦記』を読む 従軍日誌を読む
終章 再び一九二〇年の日本語