西洋美学思想史に燦然と輝くヘーゲル美学。しかし従来読まれてきた版は、聴講者H. G. ホトーの手で「体系」へと編集され、歪曲されたテキストであった。1995年にH.シュナイダー編で初公刊された本書は、1820/21年冬学期ベルリン大学での美学講義を忠実に伝える校訂版であり、ヘーゲル美学のありのままの姿を示すとともに、その後の講義の発展をすべて内包する基礎的内容をなす。
訳者まえがき
序 論
芸術の概念
芸術の区分
一 象徴的な芸術
二 古典的な(完全な)芸術
三 ロマン的な(近代的な)芸術
第一部 一般部門
第一編 芸術の一般部門
第一章 美の概念
第二章 美と精神の関係について
第三章 自然美と芸術美の区別
第二編 芸術の特殊部門
第一章 芸術の象徴形式
第一節 自然の象徴、あるいは物理的なものの象徴
第二節 真に象徴的なもの
第三節 意味と表現が並置される段階、あるいは特殊における象徴
イソップ物語
メルヘン
たとえ話と教訓話
謎かけ
風 諭
隠 喩
直 喩
第二章 芸術の古典形式
第一節 概念、思考それ自体、もっとも優れたもの
古典的な崇高
第三章 ロマン的芸術
第一節 宗教の素材
第二節 素材によってこの原理が世界と人間へ歩み入ること
栄 誉
愛
忠 誠
第三節 素材によってこの原理がまったく形式的になること
第二部 特殊部門
第一編 造形芸術
第一章 建 築
第一節 象徴的建築
第二節 古典的建築
第三節 ゴシック建築
付 録 造園術
第二章 彫 刻
第一節 エジプトの彫刻
第二節 古典的彫刻
第三章 絵 画
第一節 絵画の題材と実物について
第二節 特性一般
第三節 情景一般、特定の情感の表現
第四節 色彩と色調について
第二編 音 楽
第三編 語りの芸術
韻律化の二つのシステム
詩の三大形式
第一章 叙事詩
叙事詩の主要契機
第二章 叙情詩
第三章 劇 詩
第一節 悲劇と喜劇
第二節 喜 劇
訳 注
訳者あとがき
訳者紹介
作品名索引
人名索引