レヴィナスより継承した〈他者〉という問題を生涯にわたり考究しつづけたリオタールによるレヴィナス論集。リオタールの国家博士論文『言説、形象』と主著『文の抗争』とを接続する言語論的転回の始発点を示す表題作、ハイデガーおよびユダヤ性をめぐりリオタールとレヴィナスが対峙したセーヴル討論の記録「知とは別様に」ほか五篇と、P・オーディによる序文、G・スフェズによる解題を収録。
本書の紹介(ポール・オーディ)
第1部
レヴィナスの論理
知とは別様に
第一討議
第二討議
第2部
規制的言表における他者と、自律の問題
他者の諸権利
刃の乱れ──(〈隠喩〉)を称えて
〈他者〉の厚み(ジェラール・スフェズ)
カントとレヴィナス──アプローチの近縁性
カントを超えた歩み
〈あなたは為すべし〉という文と他者の諸権利
〈他者〉か複数の〈他者たち〉か
切っ先の乱れ
極端さと慎重さ
訳者あとがき