大ベストセラーとなった五木寛之の傑作・四季四部作の第三部。
繊細な魂をもつ四女・布由子の物語。
布由子は、かつて入院生活を送った筑豊の病院で、ボランティアとして働いていたが、姉・奈津子のヌード写真を撮ったカメラマン・中垣昇のラジオ番組への出演をきっかけに、東京でマスメディアの仕事にたずさわることになる。
未知の人たちとの出会いや初めての体験に、ときに戸惑い、揺れ動きながらも、傷つくことをおそれずに自分らしい生き方を模索していく布由子の姿がさわやかに描かれている。
【著者紹介】
1932年、福岡県生まれ。66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門・筑豊編』ほかで吉川英治文学賞を受賞。代表作に『朱鷺の墓』『戒厳令の夜』『風に吹かれて』『大河の一滴』人間の関係』など多数。