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タイトル |
本のない、絵本屋クッタラ(ホンノナイエホンヤクッタラ) |
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札幌にあるインクブルーの三角屋根が目印の、木造二階建てーーそこが『本のない、絵本屋クッタラ』だ。看板には『おいしいスープ、置いてます。』と書いてあり、店主・広田奏と共同経営の八木が切り盛りするカフェでもある。メニューはスープセットとコーヒーのみだが、育児に悩んだり、仕事に忙殺されていたり、自分の今の立ち位置に迷った客たちが今日もふらりとやってくる。彼らの話に奏は静かに耳を傾けると、「御本が揃いましたらご連絡いたします」と告げる。そうして客はもう一度、店を訪れるのだ。奏のセレクトする絵本は時に意外で、時に温かく、時に一読しただけではわからない秘密をもっている……。そんな奏がこの店を開いた理由とはーー? 季節のスープと登場する絵本に心が躍る、「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」の標野凪が贈る、ほっとひと息つける連作短編集。
■著者プロフィール
標野凪(しめの・なぎ)
静岡県浜松市出身。2019年、「終電前のちょいごはん」(ポプラ社)でデビュー。ほか、「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」(双葉社)や「伝言猫がカフェにいます」(PHP研究所)などを手掛け、人気を博している。東京、福岡、札幌と移り住む。福岡で開業し、現在は都内で小さなお店を切り盛りする現役カフェ店主でもある。