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タイトル |
死にたい夜にかぎって(シニタイヨルニカギッテ) |
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ドラマ化決定の話題作がついに文庫化。
愛が欲しくて愛に振り回された男の実話小説。
忘れたくない失恋(かこ)がある。
<内容紹介>
「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね。カナブンとかの裏側みたい」--
憧れのクラスメイトに指摘された少年は、その日を境にうまく笑えなくなった。
“悲劇のようで喜劇な人生”を切なくもユーモア溢れる筆致で綴る作家・爪切男のデビュー作。
出会い系サイトに生きる車椅子の女、カルト宗教を信仰する女、新宿で唾を売る女etc.
幼くして母に捨てられた少年は、さまざまな女性たちとの出会いを通じ、少しずつ笑顔を取り戻
していく。
文庫には、アイナ・ジ・エンド(BiSH)による解説「死にたい夜を超えていく」を特別収録。
ドラマは2020年初春に放送予定。
<本文より>
私の笑顔は虫の裏側に似ている。
学校で一番可愛い女の子が言っていたのだから間違いない。
生まれてすぐに母親に捨てられ、母乳の出ない祖母のおっぱいを吸って育った。
初恋の女の子は自転車泥棒で、初体験の相手は車椅子の女性だった。
初めて出来た彼女は変な宗教を信仰しているヤリマンで、とにかくエロかった。
そして今、震度四強で揺れる大地の上で人生最愛の女にフラれている最中だ。
部屋の窓から鋭角に差し込む朝の光を浴びた彼女が、ヤジロベエのようにゆらゆらと揺れている
。
<著者プロフィール>
爪 切男(つめ・きりお)/1979年、香川生まれ。文筆家。2016年より、情報サイト『日刊SPA!』
で『タクシー×ハンター』を連載。同連載を大幅に加筆修正してまとめた私小説『死にたい夜に
かぎって』を2018年に出版。これまでのままならない恋愛経験をポジティブに綴った本作はネッ
トを中心に大きな話題を呼ぶ。現在、『週刊SPA!』で「働きアリに花束を」を連載中。犬が好き