農業は、世界史上の文明に先行し、その前提となるものであった。農民たちは文明に、そして自然環境に対して、「二重の従属」を強いられつつも両者の接点として奉仕してきた。本書は、古代から二一世紀にいたるまでの間、農民と都市文明、農民と環境の関係がいかなる変化をたどったかを概観する。さらに、現代における地球温暖化や環境汚染、農民の減少等のあらたな問題群にも歴史的展望を与えることで、直面する危機の克服を目指す。
《原著》Mark B. Tauger, Agriculture in World History