ビジネス・ローの一環を担う租税法という観点から租税法研究の展開を描き出す。租税法の本質にかかわる基本的課題から,実体経済を踏まえた最先端の論点まで,わが国租税法学が直面する問題を検討する。研究者から実務家まで必携。
1 総 論
「租税法解釈論 序説」(金子宏)/「主権国家の成立と課税権の変容」(中里実)/「累進課税とモラルハザード」(マーク・ラムザイヤー)/「租税体系について」(増井良啓)/「所得の構成要素としての純資産増加」(渕圭吾)/「課税における人的資本の位置付け」(渡辺智之)/「課税リスクへの対処方法を巡る一考察」(渋谷雅弘)/「租税訴訟における法創造と租税法律主義」(弘中聡浩)
2 ファイナンス
「『金融革命の進行』を振り返って」(神山弘行)/「所得課税における法的帰属と経済的帰属の関係・再考」(藤谷武史)/「金融商品の時価主義課税」(錦織康高)/「一時所得の要件に関する覚書」(佐藤英明)/「租税法における生命保険契約の意義」(渕圭吾)/「プライベート・エクイティ・ファンドと組合課税」(伊藤剛志)/「バーター取引にかかる所得税の課税問題」(吉村典久)/「金融セクターに対する消費課税」(西山由美)/「国際課税における金融講座情報の共有体制の確立」(吉村政穂)
3 コーポレート
「法人課税とリスク」(神山弘行)/「広告と無形資産とタイミングと課税権配分」(浅妻章如)/「有利発行に関する課税問題」(太田洋)/「事業取引における債務の移転について」(岡村忠生)/「自己株式に関する課税問題」(渡辺徹也)/「事業再生と法人課税」(高橋祐介)
4 国際課税
「帰属所得主義と恒久的施設課税の今後」(浅妻章如)/「移転価格税制における実務上の課題」(藤枝純)/「コーポレート・インバージョン税制の実務と課題」(大石篤史)/「パテントボックス税制の効用と法人所得概念への影響」(岩崎政明)/「国外からの国際的サービス提供事業による所得のソースルールについて」(駒宮史博)