社会の格差はどこからくるのか? それを克服する展望は? 人々の関係性に着目してこの問題に接近する「社会関係資本」概念。この概念を起源から紐解き、人脈や信頼が持つ正と負の影響力、デジタル時代の新たな動向も踏まえ、この概念の全体像を描き出す入門書。
はじめに
第1章 概念の起源
ピエール・ブルデュ
ブルデュの限界
ジェームズ・コールマン
コールマンの限界
ロバート・D・パットナム
パットナムの限界
社会関係資本の古典がもたらしたもの
第2章 人脈の力
社会関係資本と教育
経済領域の人脈
健康とウェルビーイングに対する効果
犯罪と逸脱
概念の洗練ーー互酬性と信頼
概念の細分化に向けて
第3章 隘路の散策
社会関係資本と不平等
同質性と多様性
社会関係資本の逆効果
社会関係資本の隘路
第4章 インターネットは社会関係資本を破壊するのか
パットナムの命題ーーコミュニティの崩壊
SNSは社会関係資本を壊しているのか
液状化する社会の社会関係資本ーー縛られない友人関係へ
第5章 社会関係資本の政策と実践
社会関係資本のための政策を開発する理由
社会関係資本の測定
社会関係資本のための政策実施
政府は社会関係資本を生成できるか
おわりに
訳注
解説
訳者あとがき
参考文献・資料
索引