文化十三年閏八月三日、江戸の町を嵐が襲った。そんな中、八歳になる参吉は、酒飲みの父親・留吉の遅い帰りを待っていた。暴風によって長屋の屋根を吹っ飛ばされた参吉は、父親を捜す為、表通りへ出ることに。その時、抜刀した侍が駆け抜けるのに遭遇する。折しも雷によって侍の顔がはっきりと見え、参吉は殺しの現場を目撃してしまうのだった。一方、嵐の惨状を聞いた徳川家慶は、水害の様子を知る為に江戸市中の見回りに出る。そこで、参吉と出会い、一緒に父親を捜すことに。しかし家慶は、後を付けてくる不穏な気配に気が付いて…。大好評シリーズ、第四弾。