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タイトル |
宝の船 江戸菓子舗照月堂(タカラノフネ エドカシホショウゲツドウ) |
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十二月三十日。
年内の仕事を終えた駒込の菓子舗照月堂では、暮れの〈鬼やらい団子〉を揃っていただこうと、皆が居間に集まっていた。
その席で主・久兵衛は、落合に寺を建てる育ての母・了然尼に付き添うため、なつめが店を辞めることになったと告げる。
菓子作りは続けるというなつめに、これからも弟子として頼ってほしいと労う久兵衛。
惜しまれながら、二年半勤めた店を後にし、新たな暮らしを選んだなつめ。
精進を続ける照月堂、京で生み出された菓子……物語が大きく動き出す、シリーズ第九作。