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タイトル |
現代フィリピンの地殻変動(ゲンダイフィリピンノチカクヘンドウ) |
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かつての「つながりで貧困を生き抜く社会」は、いかに変容したのかーー
グローバルなサービス産業への特化による著しい経済成長と社会福祉の充実。
急激な社会変化のなかで、ドゥテルテによる強権政治はなぜ熱狂的支持を得たのか?
新自由主義に呑み込まれる現代フィリピンを、緻密なフィールド調査から多面的に描き出す。
〈問題の所在〉
序論 新時代のフィリピン人──なぜ「規律」を求めるのか
批判的序論 2010 年代のフィリピン政治をどう理解するか──社会民主主義への転換
〈第1部 フォーマリティへの欲望〉
第1章 揺らぐ寡頭制──ディナガット州における革新政治の展開
第2章 包摂的成長と再定住の政治── 2010 年代におけるマニラの空間再編
第3章 「レッドテープ」からの脱却──法制度と執行体制の整備による非属人的制度の模索
第4章 発展する胴元国家、生き残る違法賭博──ドゥテルテ時代の賭博政策をめぐる人々と政治
第5章 スペクタクル化する「マンゴーの島」──ギマラス島における産地再編の光と影
〈第2部 ままならないインティマシー〉
第6章 再編される親密性ーー生政治と死政治に引き裂かれる人々
第7章 「親しみやすさ」の複数性ーーコールセンターとKTV の労働世界
第8章 OFW の身体に対する「遅い暴力」--農村男性の出稼ぎ先における痛みをめぐって
第9章 他者への応答としての「リホック」--元OFW 女性の日常から見る現代フィリピンの共生と分断
第10 章 消費される未来、沈殿する過去ーー妊娠期における喪失経験と女性たちの応答
〈結論にかえて〉
現代フィリピンにおける時間/テンポの加速と揺らぎーー継ぎはぎされる変化への希求