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タイトル |
ε-δ論法と数学の基礎(イプシロンデルタロンポウトスウガクノキソ) |
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ε-δ論法は解析学を本格的に学び、活用しようとするなら必須になるが、高校までの数学との接続が難しいため習得に時間がかかることが多い。そこで本書では、極限の直観的理解との接続を図るために「なぜε-δ論法は難しく感じられるのか」を考え、「少し見方を変えればε-δ論法は直観的理解の近くにある」ということの説明から始める。ε-δ論法の用法のみではなく、ε-δ論法とそれが数学にもたらした影響について多角的に解説することで、理解を深めることに役立てている。
1 ε-δ論法を巡る論点
1.1 論点の紹介
1.2 ε-δ論法は必要か
1.3 ε-δ論法の難しさ
1.4 ε-δ論法の論理形式
2 ε-δへ至る道
2.1 ギリシャ数学における極限
2.2 ニュートン,ライプニッツ以前の西欧
2.3 ニュートン
2.4 ライプニッツ
2.5 バークリ
2.6 オイラー
2.7 コーシー前夜
2.8 コーシー
2.9 ワイエルシュトラス
3 ε-δ論法の実際と実数
3.1 数列の極限のε-δ方式による扱い
3.2 1変数実数値関数の連続性
3.3 1変数関数の極限値と微分係数
4 ε-δ論法から数学の基礎へ
4.1 有理数の切断による実数の構成
4.2 解析学の算術化と自然数論
4.3 論理主義の自然数論
4.4 述語論理と集合論
5 選択公理と集合論
5.1 微分積分学の基礎と選択公理のかかわり
5.2 集合論の1 公理としての選択公理
5.3 論理に「選択すること」を取り入れると
5.4 通常の1 階述語論理で選択を扱うこと
6 極限の一般化と無限小の合理化
6.1 極限概念の一般化
6.2 超フィルターと超準解析の初歩