日中戦争が拡大を続ける1938年6月から日米戦争が始まる直前の1941年11月まで『文学界』誌に連載された三木清『人生論ノート』は、戦後、再刊されるやベストセラーとなり、今日に至るまで息長く読み継がれてきた。本書は、この昭和の名著を、ギリシア哲学とアドラー心理学を専門とする著者が読み解いた『三木清『人生論ノート』を読む』の待望の続編。懐疑、習慣、瞑想と感傷、利己主義、健康、秩序、仮説、旅、偽善、娯楽といったテーマについて、希望をキーワードに深く味わう。
今年2017年は、三木清生誕120周年にあたり、4月放映のNHK・Eテレ「100分de名著」で『人生論ノート』が、本書著者・岸見一郎氏の解説で取り上げられる。
序──希望の人、三木清 1 知性の自由──「懐疑について」を読む 2 自由と束縛──「習慣について」を読む 3 精神の休日──「瞑想について」「感傷について」を読む 4 不安と噂──「噂について」を読む 5 幸福と利己主義──「利己主義について」を読む 6 健康は各自のもの──「健康について」を読む 7 心の秩序と深い智慧──「秩序について」を読む 8 思想と仮説──「仮説について」を読む 9 旅と自由──「旅について」を読む 10 偽善と虚栄──「偽善について」を読む 11 生活を楽しむ──「娯楽について」を読む 12 人生は希望──「希望について」を読む