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タイトル |
サイコロジカル・ファーストエイド(サイコロジカル・ファーストエイド) |
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身体的外傷,重大な事件,災害には心理的苦痛がほぼ必ず伴う。そのため,急性期のこころのケアは,身体的な応急処置と同じように不可欠な要素と言える。
心理的応急処置(Psychological First Aid : PFA)は,急性ストレスやトラウマの影響を緩和し,危機にある人が逆境に効果的に対処できるように支援するためのものであり,天災,人災を問わず,さまざまな緊急事態に適用される。
本書は,ラポール形成,アセスメント,トリアージ,苦痛軽減,フォローアップという中核的要素から成るRAPID PFAモデルの実践ガイドである。このシンプルな介入プロセスから構成されるモデルは,担い手を心理士や医師に限定せず,看護師,警察官,救命救急士など広い領域で役立てられる。
また,本書は,前半にPFAの概念,トラウマ体験や災害がもたらす心理的影響などの基礎的な内容を含み,後半ではRAPID PFAにおける各フェーズの理想的な対応とよくある失敗を例示しつつ,実践に直結する内容を解説する2部構成となっており,メンタルヘルスケアを包括的に学べる書でもある。
RAPID PFA日本語版の発行に寄せて
監修者まえがき
読者への手引き
序文ーー私たちはどのようにして今に到ったか?
謝辞
第1部 心理的応急処置(PFA)--科学
第1章 心理的応急処置(PFA)--定義と歴史
第2章 外傷体験がもたらす心理的反応ーー現場で遭遇するもの
第3章 災害のあとーーPFAが求められる大規模な背景
第2部 PFA--技術の実践
第4章 R ラポールの確立と聞き返し
第5章 A アセスメントーーストーリーに耳を傾ける
第6章 P 心理的トリアージーー優先順位付け
第7章 I 状態を安定させ,急性の苦痛を軽減するための介入戦術
第8章 D 締めくくりーー継続的ケアを受けやすくする
第9章 セルフケアーー他者のケアは自らのケアに始まり,自らのケアに終わる
補足資料:呼吸法
文献
被災者の支援を望むメンタルヘルス従事者へ
索引