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タイトル |
悩めるアルコールランプくんと理科準備室の実験器具たち(ナヤメルアルコールランプクントリカジュンビシツノジッケンキグタチ) |
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実験器具のキャラクターで人気を博す「ビーカーくんとそのなかまたち」 。
絵本シリーズ第二弾の主役は,近年,理科室から姿を消しつつある〈アルコールランプ〉くん!!
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「ぼくたちだって,まだまだ使えるのにーーー」。
自分の代わりに実験で活躍するガスコンロくんの姿に,もんもんと日々を過ごすアルコールランプくん(とフタくん)。
理科準備室の〈開かずの棚〉って? 使われなくなった実験器具の運命とは……!?
【 Netgalleyさんでレビューをいただきました!】*一部抜粋
★理科実験室の実験器具たちにも新旧の入れ替わりの攻防があるなんて、切ない。
遠い遠い昔わたしもお世話になったアルコールランプくん(とフタくん)が、もう時代遅れだなんて!? 理科の実験の今昔をつぶさに見る思いです。
読みながら「これは何?」と思う実験器具たちもありましたが、巻末に名前と用途の解説があるので理解できました。音叉も黒板さえも、使われなくなりつつあるの?と、時代の変化を感じてしまいます。
★わたしは、アルコールランプ世代です!おっかなびっくりマッチを擦って、”ポッ”と点火していました。なかなかの緊張感と、慣れたときの成長感は、今でも不思議と覚えています!
作者のうえたに夫婦が「悩めるアルコールランプくん(and フタくん)」と表紙のタイトルにした感性が好きです。別々に生まれ、サイズの誤差をすり合わせるようにコンビを組んだはずのアルコールランプくんと、フタくん。そこの物語にちゃんと気づいてあげられてることが、何かとても素敵だなと感じます。
老兵は去る。道具でも、人でも役を担って生まれてくるものだと信じています。そして、その役割を十分に果たせなくなる時がやがてはきます。自分よりもっと上手にできるものが現れます。その時が潔いさり際だと心得ます。去り際というよりはリレーのバトンタッチのようなものかもしれませんね。理科で世の中をより良いもの、より面白いものにしていくための、リレー。
一つの目的のために、何種類もの器具さんたちが必死に走り、バトンを次に託す瞬間、理科準備室に起こったちょっとしたハプニング。
うまく乗り越えられそうですね、アルコールランプくんとフタくん!
走り終えて声援を送るものも、今走るものも、志は一つのチーム。ずっとこれからも、競技の参加者です。決して、無意味な存在じゃない。何か、理科準備室に自分のこれからを考えさせられました。ありがとうございます。
★「別れ」や「友情」の絵本としても、キャラクター絵本としても、あるいは実験道具を扱った「科学絵本」としても楽しめます。またかつて生徒や学生だった方には懐かしさを感じる絵本にもなっています。ほろりと涙、ほっこりとあたたかな気持ちにもなれる本でした。
★アルコールラン…