序章 文学の風景を歩く
第一章 京の〈宿〉--《上木屋町》の文人たち
一 御池大橋のたもとから
二 席貸とは何か
三 席貸の文人たち
第二章 席貸と文学のトポロジー
一 「二人の独り者」の宿
二 近代京都の旅館街
三 文学作品のなかの席貸
四 《祇園》周辺の宿
第三章 鴨川畔の山紫水明
一 『暗夜行路』の宿
二 歴史空間としての《東三本木》
三 文人たちの宿
第四章 花街周辺の宴席文化ーー山猫・配膳・雇仲居
一 《下河原》の山猫
二 《真葛ケ原》の配膳
三 席貸街の雇仲居
四 変転する宴席文化
第五章 廓の景観と祭礼ーー《島原》の太夫道中をめぐって
一 大門と見返り柳と
二 《島原》の盛衰と太夫道中
三 戦後の廓風景
第六章 祇園祭のねりものーー《祇園東》芸妓衆の仮装行列
一 祇園祭と「ねりもの」
二 近代期の断絶と復興
三 戦後の再興と変革
第七章 鴨川納涼の空間文化史
一 「納涼床」のある風景
二 江戸期における四条河原の夕涼み
三 明治期における納涼風景
四 空間文化としての鴨川納涼
第八章 祇園はうれし酔ひざめの……--《祇園新橋》の強制疎開
一 《祇園白川》の景
二 枕の下はいずこ
三 強制疎開の景観
第九章 「風流懺法」のあとさきーー《真葛ケ原》の京饌寮
一 京洛の漱石と虚子
二 漱石、祇園に遊ぶ
三 《真葛ケ原》の京饌寮
第十章 縁切りのトポスと「愛の空間」--安井金比羅宮とその周辺
一 近松秋江の《安井》
二 席貸街としての《安井》
三 絶縁を攻囲する「愛の空間」
第十一章 紙屋川の料理茶屋ーー《平野》と《北野》のはざまで
一 歴史空間としての平野門前通
二 《平野》の巫女
三 〈遊楽〉の系譜と空間
終章 〈地〉と〈図〉のあいだに
註
おもな登場人物一覧