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タイトル |
宝塚の21世紀(タカラヅカノニジュウイッセイキ) |
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1914年に小林一三によって創立された宝塚少女歌劇団。宝塚が世紀を越えて存続したのは演者〈スター〉が演じる芝居〈ドラマ〉が、それも男役スターに当て書きする新作が上演され続けてきたからだ。本書は21世紀に登場した新作の演出家とスターを検証し、100年を越す〈宝塚の謎〉を解く。資料・上演年表(2000〜2019)
第一部 〈悲劇〉を解読する(執筆 関谷由美子)
第一章 新興国アメリカ、ニュー・エイジの闘い
小池修一郎脚本・演出 月組「グレート・ギャツビー」(F・スコット・フィッツジェラルド作”The Great Gatsby”(Gatsby)より)─ フラッパーの時代
小池修一郎脚本・演出 宙組「NEVER SAY GOODBYE ある愛の軌跡」─ デラシネから戦士へ
第二章 〈失われた王国〉の物語
生田大和脚本・演出 月組「春の雪」(三島由紀夫著「春の雪」『豊穣の海』第一巻 より)─〈成熟拒否〉の構造
上田久美子脚本・演出 月組「月雲の皇子─衣通姫伝説より」─ どのように語るのか、物語が創られる
上田久美子作・演出 花組「金色の砂漠」─〈局外〉への意志
第三章 〈天才〉の悲劇
原田諒脚本・演出 雪組「ニジンスキー─奇跡の舞神─」 ─ 時代の転換期を生きる
第四章 〈永遠〉を生きる
木村信司脚本・演出 花組「不滅の棘」(カレル・チャペック原作『マクロプロス事件』 より)─〈期間としての人間〉であることへのオマージュ
小池修一郎脚本・演出 花組「ポーの一族」(原作 萩尾望都『ポーの一族』小学館 フラワーコミックス)─ 気配のロマネスク
第二部 宝塚の華 〈男役〉(執筆 鈴木国男)
第一章 春日野八千代から轟悠へ
第二章 二十一世紀のトップスター
男役へのアプローチ
第三部 宝塚 〈美〉の中の〈思想〉(執筆 井上理惠)
第一章 女性作家たちの劇世界
植田景子の挑戦(「THE LAST PARTY〜S・Fitzgerald’s last day〜フィッツジェラルド最後の一日」/「クラシコ・イタリアーノ」二〇一一)
小柳奈穂子のコメディ(「めぐり会いは再び」二〇一一/「ルパン三世ーー王妃の首飾りを追え!」二〇一五)
上田久美子の問いかけ(「翼ある人々--ブラームスとクララ・シューマン」/「神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜」)
第二章 男性作家たちの劇世界
大野拓史と“真っ直ぐな男”(「一夢庵風流記 前田慶次」(原作隆慶一郎『一夢庵風流記』)二〇一四)
原田諒と内なる神(「MESSIAH--異聞・天草四郎ーー」二〇一八)
生田大和とコメディ(「CASANOVAカサノヴァ」)