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タイトル |
〈68年〉の性(ロクジュウハチネンノセイ) |
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革命の時代として記憶される〈68年〉の多様な政治的・文化的なアクションが、女性の性と身体をめぐる問題を見過ごすばかりか、抑圧さえしてきた事実を、メディア表象や芸術実践から明らかにする。解放の裏で忘却された〈68年〉の性と身体を照射する批評集。
序文 小松原由理
第1章 幽閉されるアメリカン・ヒロインーー十九世紀末から一九六〇年代へ 山口ヨシ子
1 一九六三年、ベティ・フリーダンとシルヴィア・プラス
2 消えた「新しい女」
3 幽閉されるヒロインの系譜
4 「職業・主婦」を推奨する社会の諸事情
5 変革への兆し
第2章 誰の〈身体〉か?--アメリカの福祉権運動と性と生殖をめぐる政治 土屋和代
1 「福祉の爆発」と不妊手術
2 レルフ姉妹をめぐる裁判
3 黒人の「組織的集団虐殺(ルビ:ジェノサイド)」か?
4 「鍵となる言葉は「選択の自由(choice)」である」
第3章 スウィンギング・シックスティーズの脱神話化ーーアンジェラ・カーター『ラブ』再訪 村井まや子
1 「性の革命」元年
2 『ラブ』にみる愛の神話の論理的帰結ーー一九六九年
3 「あとがき」による『ラブ』の脱神話化ーー一九八七年
第4章 身体の「自律」から「関係」の身体へーーアニエス・ヴァルダ『歌う女、歌わない女』をめぐって 熊谷謙介
1 ヌーヴェル・ヴァーグと女性
2 フランス女性解放運動と『歌う女、歌わない女』
3 自律の身体、関係の身体
第5章 女性性の戦略的表象ーーアンナ・オッパーマンの「アンサンブル・アート」と〈六八年〉の身体 小松原由理
1 アンサンブルの誕生
2 手法としてのアンサンブル
3 ハイパーメディア空間としてのアンサンブル
4 〈六八年〉の「痕跡保全」としてのアンサンブル
5 アンサンブル『主婦であること』--イメージとしてのジェンダー
第6章 一九六〇年代日本の女性運動家の実情とイメージーー白土三平のマルクス主義的長篇漫画『カムイ伝』を題材に クリスチャン・ラットクリフ
1 若い運動家が揺るがした一九六〇年代日本での女性活動家の立場と役割
2 資料としての『カムイ伝』
3 『カムイ伝』で描かれる女性の類型とその役割
4 『カムイ伝』の女性描写と一九六〇年代の女性運動家