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タイトル |
モンスーンの贈りもの(モンスーンノオクリモノ) |
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カリフォルニア州バークレーの高校1年生、ジャズことジャスミン・ガードナー。勉強もスポーツもできる15歳です。背が高くがっちりしていることに強いコンプレックスを持っています。高校生活初めての夏は、まるまる3か月間、お母さんが幼い頃を過ごしたインドの孤児院に、家族4人で滞在することになりました。インドで生まれ4歳でアメリカの夫婦に養子にもらわれたお母さんが、初めて帰国するのです。アメリカ人のお父さんも、もちろんジャズと弟も、みんな初めてのインドです。お母さんは恩返しとして、孤児院に妊婦のためのクリニックを立ち上げる計画です。
ジャズは、3か月もインドで過ごすことに気乗りしていません。幼なじみのスティーブと立ち上げたビジネスが軌道に乗ったところだし、ひそかに恋しているスティーブとそんなに長く離れているなんて耐えられないからです。
初めて踏んだインドの地では、カルチャーショックの連続です。孤児院に到着するまでにみんなくたくたになりました。インド滞在中のガードナー家のお手伝いさんとして、ダニタという少女が毎日来てくれます。ダニタはジャズと同じ15歳。妹ふたりといっしょに孤児院で育ちました。
ダニタのことを少しずつ知るうちに、ジャズは境遇の違いを実感し、思いを巡らします。
お母さんがクリニックの立ち上げに奔走する間、お父さんは孤児院の中古のコンピューターをセッティングして、シスターたちに操作を教えます。内気なお父さんの心境の変化と行動に、ジャズは驚きます。弟は孤児院のサッカーチームのリーダーになって指導しています。ジャズだけは孤児院を避けて地元の学校に通うことを選びましたが、家族の姿を見ているうちに、しだいに関わりを持ちはじめるのでした。
カリフォルニアとは気候も文化も生活習慣もまったく異なるインドでの3か月。ジャズは、自分自身の生き方、家族それぞれの生き方、自分が人にできることは何か、そんなことを真剣に考えはじめ、行動に移します。