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タイトル |
内にある声と遠い声(ウチニアルコエトトオイコエ) |
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稀代の哲学者の知られざる一面が浮かび上がる
戦後を代表する哲学者、鶴見俊輔。没後10年を見据え、その膨大な仕事を俯瞰する研究も出始めるなか、ハンセン病問題に積極的な関わりをもっていた事実はそれほど注目されていない。実際のところ鶴見は、隔離政策下の1950年代に療養所に赴き、その後も終生にわたり、ハンセン病の詩人やその支援者たちと親密な関わりをもちつづけていた。隔たりの自覚を手放すことなく、ともに生きることの意味を考えつづけた哲学者の姿が、初公開の講演録をはじめとする貴重なテクストから浮かび上がる。