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タイトル |
文庫 雑草と日本人(ブンコ ザッソウトニホンジン) |
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雑草は踏まれても踏まれても立ち上がらない。けれども──
「しなやかで強い日本人」を育んだ背景を探る。
雨が多く高温多湿な日本では、農作物がよく育つ一方、
雑草の繁殖も著しく、先人たちは常に草取りに励まねばならなかった。
また、自然や生き物の豊かさは時に脅威ともなり、
豪雨、洪水などの自然災害や害虫被害をもたらしてきた。
古来、日本人は豊かな自然とどう向き合ってきたのか?
その歴史から日本人固有の心性を浮き彫りにするユニークな日本文化論。
<目次より>
第一章 植物にも仏性を感じてきた日本人
西洋と日本でこれほど違う「雑草観」
イネ科植物の進化と文明
日本の自然には神が宿る 恵みと脅威の源泉
日本人固有の「自然」意識
日本の無数の生き物たちと田んぼ
仏教の殺生思想と日本人の生命観
第二章 農と自然が育んだ日本人気質
世界の農地荒廃と日本の田んぼのすごさ
日本と西洋の「植物分類学」の違い
雑草を悪とみる西洋人、雑草を活かす日本人
日本の豊かな自然と「引き算の文化」
草取りと日本人の人生観
稲作・自然災害と、日本人の協調性
日本の豊かな植物と日本人の「新しもの」好き
せっかちで辛抱強い日本人を生んだ背景
第三章 雑草のように、しなやかに
雑草が持つ「弱さという強さ」
逆境こそ雑草の生きる道
雑草の「戦わない戦略」
雑草にとって「変化」は最大の好機
しなやかな強さで生きていく