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タイトル |
スペイン市民戦争とアジア(スペインシミンセンソウトアジア) |
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1936年に勃発したスペイン市民戦争は、1930年代の歴史的分岐点になったというだけでなく、世界の今を解くカギを秘めた出来事であった。市民が人間の尊厳と自由を守るために立ち上がる大義がそこには存在した。
「反ファシズム」の旗印のもと、アジア各国を含む世界55ヶ国から集まった多種多様な義勇兵の存在を通じて、スペイン市民戦争における闘いの今日的意義を検証する。
* 本書は2006年に刊行したものを、このたび創刊するKUP選書に再録し、新装版として刊行するものです。
プロローグ 今なぜスペイン市民戦争か
市民概念の変化/アジアにとってのスペイン市民戦争
コラム 「スペイン市民戦争」という呼称について
第一章 スペイン市民戦争と現代
1 イギリス人元義勇兵との出会い
2 「現代の内戦」の起点としてのスペイン市民戦争
市民戦争の勃発/反ファシズム統一戦線の問題
3 「現代の内戦」の系譜
コラム スペイン市民戦争研究の魅力
第二章 今日のスペインに見る市民戦争
1 国際旅団のモニュメント
2 戦争にノーを!
3 オリーブの墓標
4 古い墓穴
5 元兵士たちとの対話
6 市民戦争を生き抜いた女性の物語
7 国際旅団友好協会
8 パウ・カザルス・ミュージアム
第三章 スペイン市民戦争とアジア
1 中 国
中国からスペインへ/西安事件の楊虎城将軍のスペイン視察/中国人義勇兵たちの
プロフィール/スペインから中国へ
2 朝 鮮
植民地朝鮮とスペイン市民戦争/朝鮮民衆の息吹/中国革命と朝鮮独立運動
3 フィリピン・インド・ベトナム
フィリピンからスペインへ/インドからスペインへ/ベトナムからスペインへ
コラム 仏文学者小松清とベトナム
第四章 スペイン市民戦争と日本
1 参戦した日本人
2 駐日臨時スペイン公使と日本
コラム 日本政府・軍部とフランコ反乱軍
エピローグ 内戦を越えて
1 過去に見つめられる時
2 和解のベクトル
参考文献
おわりに
新装版に寄せて