“御影町”が消えた。人々は信州にあるその“街”の記憶をなくし、歴史の記録からさえも消え去るという怪現象が起こっていた。その取材を命じられた、女性記者・深町彩乃は、出張中の電車内で少年、藤木ミチルと出会う。彩乃は行き場をなくした少年と行動を共にするが、それは血塗られた逃避行の始まりでもあった。逃亡する彩乃と少年に、魔物に変貌した人々が襲いかかる。今にも、彩乃が魔物に喰い殺されるという時、突如ロングコートの大男が現れた。「頼城茂志。ミチルの“守護者”だ」コートの下からショットガンが取り出された。彼らは消失した街“御影町”に潜入するものの、“街”は人々の畏れを具現化した名状しがたい世界と化していた。そしてミチルは、魔物を斃す存在といわれる“発現者”であるがゆえに、“司祭”の魔手に捕らわれる。-ハードボイルドの鬼才が描く震慄のホラーアクション!