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日常に潜む、人を欺くためのデザイン。
「いつまで経っても終わらない退会⼿続き」「すでにチェックされているチェックボックス」……誰しもが経験したことがある苛⽴ちは、わざとデザインされていた。
「ダークパターン(ディセプティブパターン)」の名付け親であるハリー・ブリヌル氏が、欧米のさまざまな事例を紐解きながらその全貌と、国を挙げての規制強化、今後の展望を解説するデジタル時代のクリーンなユーザー体験への手引きとなる一冊です。
日本語版解説には長谷川敦士氏(株式会社コンセント代表/武蔵野美術大学造形構想学部教授)、水野祐氏(弁護士/シティライツ法律事務所)。それぞれ「デザイン」と「法律」の視点から日本のダークパターンの現状について解説します。
第1章 人を欺くデザインとは
1 デザイン業界の専門用語
2 ディセプティブパターンの台頭
3 ホモ・エコノミクスからホモ・マニピュラブルへ
第2章 人を搾取するための戦略
1 知覚的脆弱性を利用する戦略
2 理解力の脆弱性を利用する戦略
3 意思決定の脆弱性を利用する戦略
4 思い込みを利用する戦略
5 消耗させプレッシャーを与える戦略
6 強制・ブロッキング戦略
7 感情的脆弱性を利用する戦略
8 依存症を利用する戦略
9 説得力と心理的操作の線引き
第3章 さまざまなディセプティブパターンの種類
1 マートゥール派の分類法
2 こっそり型(Sneaking)
3 緊急型(Urgency)
4 誘導型(Misdirection)
5 社会的証明型(Social proof)
6 希少性型(Scarcity)
7 妨害型(Obstruction)
8 強制型(Forced action)
9 相乗効果でさらに凶悪になるディセプティブパターン
第4章 ディセプティブパターンの弊害
1 個人への被害
2 社会的集団への被害
3 市場への被害
第5章 ディセプティブパターンを撲滅するために
1 失敗した試み
2 規制の重要性
3 EUにおける規制
4 アメリカにおける規制
5 取り締まりの障害となるもの
第6章 未来への歩み
1 EUで進む改革
2 アメリカで進む改革
3 AIと説得プロファイリングとシステム上のディセプティブパターン
4 テクノディストピア的な未来を危ぶむ
5 まとめ
エピローグ
著者について
注記
日本語版解説
長谷川敦士「ダークパターンが生まれる構造と向き合い方」
水野祐「ダークパターン(ディセプティブパターン)に関する日本の法規制の視点と動向」