ジェンダー、セクシュアリティ、クィア・リーディングを学び、文学批評で実践するための、前著『愛の技法』に続く絶好の入門書。執筆者は大田美和、岸まどか、石川千暁、米谷郁子、ヴューラー・シュテファン、長島佐恵子、黒岩裕市、森岡実穂、清水晶子という気鋭のジェンダー、セクシュアリティ、クィア理論の実践者たち。取り上げるテクストは、笙野頼子、松浦理英子、シェイクスピア、ブロンテ、スタイン、トニ・モリソン、イヴ・セジウィックなど現代日本から英国、米国、アイルランドに及び、ジャンルは小説、日記、演劇、文学理論と幅広い。文学テクストを読み直す興奮と革新性に改めて目覚めさせてくれる、愛と連帯の文学論集。
<主要目次>
第一章 ヨークシャーの女たちの物語
ー『シャーリー』、『アン・リスターの日記』、『ミス・マイルズ』をつなぐ
第二章 世話するひとたち -ガートルード・スタイン『三つの人生』と修復的読解の鍛錬
第三章 身体に根ざしたエロティックな力 -ネラ・ラーセン『パッシング』からトニ・モリソン『スーラ』へ
第四章 内なる異郷への旅 -『テンペスト』の翻案を読む
第五章 「私は私ではない」とは誰に言えることなのか -否定性批判として笙野頼子『皇帝』を読む
第六章 エマ・ドナヒュー『フード』(Hood)の饒舌なクローゼット
第七章 松浦理英子『裏ヴァージョン』と女子プロレス
第八章 動物たちのナイトクラブ -ビエイト演出《妖精の女王》におけるセクシュアリティ表象について
第九章 ビサイドのクィアネス -イヴ・セジウイックにおける接触