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タイトル |
もっと知りたいデ・キリコ(モットシリタイデキリコ) |
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1919年までの「形而上絵画」、画風を一変させる「技術への回帰」、そして以降も続くデ・キリコの表現と人生を追いながら、ショーペンハウアーやニーチェの哲学、早逝した父へのオイディプス・コンプレックス的な葛藤という観点から、デ・キリコが描いた「謎」に迫る。
はじめに デ・キリコをめぐる二つの謎
第1章 1888-1909 父の死──旅のはじまり
アテネ、ミュンヘンでの修業、そしてミラノへ
第2章 1909-1919 形而上絵画──「謎としての世界」を描く
ニーチェ、ショーペンハウアーの影響のもとで
パリへの移住とサロン・ドートンヌへの出品
眠るアリアドネが待つもの
ギヨーム・アポリネールとの交流
駅の画家としてのデ・キリコ
マネキンたちの運命
フェラーラと形而上学的室内の登場
ヴィッラ・デル・セミナリオと
カルロ・カッラとの出会い
形而上絵画時代の終焉
第3章 1909-1919 技術への回帰──マティエールの追求へ
古典絵画の研究
ナルシスティックな自画像たち
「技術への回帰」以降の形而上絵画
オレステスとエレクトラは父の敵を取る
シュルレアリスムとの接触
シュルレアリスムとの断絶
小説『エブドメロス』
第4章 1929-1978 オデュッセウスの帰還
奇妙な洗礼の場ーー神秘的浴場
オレステスはどこへ向かうのか
無限のパロディとしての新形而上絵画
息子もまた幽霊となる
おわりに 世界を謎として見るために
コラム【もっと知りたい】
1アーチと三角形の意味ーー オットー・ヴァイニンガーの幾何学的形而上学
2形而上絵画とは何か
3「技術への回帰」とは何か
4形而上絵画の受容
コラム【傑作クローズアップ】
1《通りの神秘と憂愁》
2《子どもの脳》
3《愛の歌》
4《幽霊》
5《オデュッセウスの帰還》