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タイトル |
カモメの日の読書(カモメノヒノドクショ) |
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みずみずしい極上の漢詩翻訳とエッセイの40+2篇
「わたしじしんの漢詩的日常を綴ってみたのが本書になります。いわゆる漢詩らしい主題はもとより住まいと暮らし、趣味と行楽、たべものと料理、恋愛、ペット、少年愛といった雑多なモチーフや、一字詩、狂詩、集句詩、回文詩、ルビの妙技、対句のサビメロ性といった言語的遊戯にまつわるトピック、さらには短歌、連句、俳句とのセッションなど、あれこれ少しずつお試しで味わえるようにと工夫しつつ、合計で50 篇あまりの漢詩を紹介しました」(「はじめに」)
「世間のひとびとは、いったいどんなきっかけで漢詩を読むようになるのだろうか。--わたしの場合は「マリクレールメゾン」をはじめとしたインテリア・エクステリア・建築系の雑誌を手当たりしだい読んでいるうちにオーバードーズで写真当たりを起こすようになってしまい、どこかに写真のついていない、素敵な住まいについて書かれた文章はないかしらと思っていたところへ、たまたま王維の『輞川集』を発見したことだった」(「菊と酒の日々」)
はじめに
1. カモメの日の読書
2. うりふたつのたましい
3. 酒と菊の日々
4. 旅路の果てに
5. 過ぎ去りし日のぶどう酒
6. 風の手のままに
7. 仮住まいの花
8. 風光をわがものにして
9. 猫と暮らす
10. 夢を生きる者たち
11. 生まれたてのピクニック
12. 雪月花のとき、最も君をおもう
13. 芹と筍のお弁当
14. ぴたりとはまる
15. バナナ的スローライフ
16 . シンシア
17. 煙草に寄せる恋
18. 空港で、休日の匂いを
19 . 古代から伝わる恋文
20. ひるねの作法
21. 水のささやきを聞いた夜
22. 言葉にならないさよなら
23. るびふるあそび
24. 文字の近傍
25. トランクルームの客
26. 研ぎし日のまま胸にしまう
27. ひとりでいるときは
28. 鳥のデッサン
29. 無音の叫び
30. クールミントの味
31. 死と喪失のドラマ
32. D J としての漢詩人
33. 月のかがやく夜に
34. 歌う水晶
35. 今は遊びより本がたのしい
36. 虹の脊柱
37. 春の片田舎で
38. 詠み人、あるいは脱時制者のために
39. 回文と音楽
40. 冬の朝、そのよごれた窓を
付録1 恋は深くも浅くもあるーーわたしはどのように漢詩とおつきあいしてきたか
付録2 ロマンティックな手榴弾 --「悪い俳句」とはいったい何か?
あとがき
本書に登場するおもな詩人たち
漢詩出典
初出