世界は味で動いていた。香辛料(スパイス)から砂糖、そしてうま味調味料へといたる「味」の移り変わりは、資本主義が誕生し、ヨーロッパが覇権を握るプロセスと軌を一にする。本書では、ウォーラーステインの「近代世界システム」を参照し、さらにポメランツが提唱した「大分岐」論以降のさまざまの研究成果も踏まえつつ、「諸島」に焦点を当てることで、世界史の興亡を新しく描き直す。
【目次】
序 章 なぜ「味」で世界史をたどるのか
第1章 世界史のなかの香辛料
第2章 香辛料貿易とヨーロッパの拡大
第3章 香辛料から砂糖へ
第4章 砂糖と資本主義経済
第5章 第二次産業革命がつくりあげた世界
終 章 諸島から見た世界史