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タイトル |
Hospitalist(Vol.11-No.3)(ホスピタリスト) |
出版社名 |
メディカル・サイエンス・インターナショナル |
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ホスピタリストや病院で働く医療スタッフがかかわる患者のほとんどは低栄養のリスクを抱えており、避けて通れない問題となっています。世界的には、2018年に策定されたGLIM(Global Leadership Initiative on Malnutrition)が統一された診断基準として用いられ、疾患/炎症をもつ時点で、低栄養のリスクをもつという認識が必要になっています。また、多くの疾患では、低栄養は入院期間の延長や予後悪化との関連が明らかになっているほか、医療費の負担増という形で経済的損失にもつながることがわかってきています。我々、病院で働く医療スタッフは、患者・家族のためだけでなく、経済的貢献も念頭に、低栄養を認知・予防・治療していく必要性に迫られています。
日本では、エビデンスの不足や診断基準の不明瞭さなどのさまざまな理由から、栄養療法への理解は十分ではありませんでした。本特集は、これらの要因を少しでも克服し、多くの医療スタッフが現場で適切に栄養療法を施行できる一助となるものを目指しました。近年注目されているトピックスや、最新の診断基準、治療法に関してまとめ、病態生理もわかりやすく記載しています。また、栄養サポートチーム(NST)の活動に際して、よくある質問、迷う部分などを盛り込み、これを理解すればNSTで活躍できる内容にしています。
本特集を手にした医療スタッフが、栄養療法を通じてより多くの患者・家族を救い、この取り組みが社会貢献の一助につながっていくことを願っています。
栄養療法を通じて、一緒に日本を元気にしませんか。