|
タイトル |
キッシンジャー超交渉術(キッシンジャーチョウコウショウジュツ) |
|
キッシンジャーの「戦略的交渉術」を徹底分析した初の本
「世界最高のネゴシエーターは誰か?」
この質問を1375大学の国際関係学に携わる1615人の学者にしたところ、最も多くの支持を集めたのがヘンリー・キッシンジャーでした。辛口の作家のウォルター・アイザックソンでさえ、キッシンジャーを「20世紀で最も重要なアメリカの交渉者」と評価しています。
ネゴシエーターとしてのキッシンジャーの輝かしい実績は、誰も否定できません。東西冷戦下、世界が憎悪に満ちあふれ、一触即発だった時代、キッシンジャーは中国、中東、ソビエトと、一見不可能に思えるような交渉をいくつもまとめてきました。
90歳代の今でも、キッシンジャーは外交の重鎮として活躍し、バラク・オバマからドナルド・トランプ、ウラジーミル・プーチン、アンゲラ・メルケル、習近平まで、多岐にわたる世界の指導者から意見を求められています。
キッシンジャーがどんな活動をしてきたかは自身の伝記や他の研究者・作家が、これまで数々の作品を世に送り出しています。ところが驚くべきことに、キッシンジャーの交渉術に関しては、これまで詳しく分析されてきませんでした。
著者3人は、ハーバード・ビジネススクール、ハーバード・ケネディスクール、ハーバード・ロースクールの教授で、交渉の専門家・研究者。ハーバードを代表する三つの大学院の英知を結集して、キッシンジャーの交渉を徹底分析し、エッセンスを抽出したのが本書です。キッシンジャーは本書に自ら序文を寄せただけでなく、長時間にわたるインタビュー取材に全面的に協力しました。外交政策や政治に関心のある読者だけでなく、交渉に関わっているあらゆる職種に役立つ内容になっています。
パワフルで視野が広く、目的からぶれず、粘り強く、硬軟使い分け、一見関係のなさそうな状況に活路を見いだしてゲームの流れを変えたり、時に隠密行動や嘘を器用に使いこなすキッシンジャーの交渉アプローチは、政治やビジネス、日常生活でタフな交渉をしなければならない人々に、大変参考になります。
パート1 キッシンジャーはどのように交渉したか
-- 南部アフリカの忘れられた事例
第1章 交渉戦略を練る
第2章 戦略から実行へ
第3章 南部アフリカ作戦の成果と巧みな交渉に学ぶ
パート2 ズームアウト
第4章 戦略 -- 広い視野からの交渉
第5章 現実主義 -- 合意・不合意のバランスを調べる
第6章 ゲームを変える -- 合意・不合意のバランスを形成する
第7章 多国間交渉の難しさ -- 複雑な交渉を組み合わせる
パート3 ズームイン
第8章 キッシンジャーの対人アプローチと戦術
第9章 交渉相手の心を読む
第10章 親密さとつながり
第11章 提案、譲歩、建設的曖昧さ
第12章 粘り強さ、勢い、シャトル外交
第13章 秘密主義、集中管理、個人プレー
最終章 ヘンリー・キッシンジャーの交渉術の核心
まとめ 交渉者キッシンジャーからの重要な教訓
解説 キッシンジャーの交渉術から日本人が学ぶべきこと
田村次朗(慶應義塾大学法学部教授、交渉学協会理事長)