【乳腺腫瘍病理の診断に必須の形態学的特徴と鑑別診断を押さえた座右の書!】
腫瘍病理鑑別診断シリーズ「乳癌」,待望の第3版.2019年にはWHO分類第5版が発行され,遺伝子検査やPD-L1評価が行われるようになり,さらに分子標的治療が導入されるなど,乳腺腫瘍病理を取り巻く環境は日々変化している.
そうした状況を踏まえ,乳腺腫瘍病理のエキスパートが精選した病理写真とともに,定義や概念,診断上の要点を解説する.
組織の形態学的特徴とともに,免疫組織化学の適切な利用法や,臨床との連携に欠かせない広がり診断や治療効果判定,病理診断報告様式について解説した.
第1部 検鏡前の確認事項
1.乳腺腫瘍の組織型分類:取扱い規約分類とWHO分類の概要
2.病理標本の取扱い方
第2部 組織型と診断の実際
1.上皮性腫瘍
1.良性上皮増殖性病変および境界病変
2.腺症および関連病変
3.腺腫
4.上皮ー筋上皮性腫瘍
5.乳頭状腫瘍
6.小葉性腫瘍
7.非浸潤性乳管癌
8.浸潤性乳管癌
9.微小浸潤癌
10.特殊型乳癌
(1)浸潤性小葉癌
(2)管状癌
(3)篩状癌
(4)粘液癌
(5)浸潤性微小乳頭癌
(6)アポクリン癌
(7)化生癌
(8)神経内分泌腫瘍
(9)腺様嚢胞癌および他の唾液腺型の乳癌
(10)分泌癌
(11)その他の稀な乳癌
2.線維上皮性腫瘍
1.線維腺腫
2.葉状腫瘍
3.乳頭部の腫瘍
4.間葉系腫瘍
5.造血器腫瘍
6.男性乳腺疾患
7.その他の腫瘍様病変
8.転移性腫瘍
第3部 鑑別ポイント
1.上皮性病変における良悪性鑑別のための要点
2.針生検における組織型鑑別の注意点
3.組織型鑑別のための,免疫組織化学の要点
第4部 臨床との連携
1.遺伝性乳癌の臨床病理
2.乳癌の悪性度評価
3.乳癌のバイオマーカー検索
4.病理診断をふまえた乳癌の治療
5.術中・術後の,乳癌の広がり診断
6.病理学的治療効果判定
7.手術標本における病理報告書の記載
索引