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タイトル |
中世文芸の地方史(チュウセイブンゲイノチホウシ) |
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中世文芸の社会的あり方とは何かーー。
中世の九州地方、とりわけ大宰府天満宮安楽寺を舞台に、地方への京都文化の流入や地方文芸が発達・変容していくさまを中央と地方を結ぶ政治動向に即して解読。
中世文芸を歴史学の俎上に載せ、政治・宗教・文芸が一体となった中世社会の様相を明らかにする。
九州中世史研究を領導し、政治史・文化史の双方に精通した著者ならでは視座から紡がれる、圧巻の歴史書。
解説=佐伯弘次
【目 次】
序 章 政治・宗教・文芸
第一章 大宰府の宮廷文化
第二章 神祇文芸と鎮西探題歌壇
第三章 蒙古襲来と中世文芸
第四章 今川了俊の教養形成
第五章 九州探題今川了俊の文芸活動
第六章 連歌師朝山梵灯の政治活動
第七章 巡歴の歌人正広と受容層
第八章 宗祇の見た九州
第九章 九州文芸の展開
第十章 大宰大弐大内義隆
あとがき
解説(佐伯弘次)
※本書は1982年に平凡社より刊行された書籍の文庫版です。
序 章 政治・宗教・文芸
第一章 大宰府の宮廷文化
一 大宰府官人と天満宮安楽寺
二 年中行事の移入
三 宗教行事の移入
四 平安貴族の道真崇拝
第二章 神祇文芸と鎮西探題歌壇
一 法楽連歌と託宣連歌
二 菅公説話と大江匡房
三 天満宮安楽寺と蒙古襲来
四 鎮西探題歌壇の形成
第三章 蒙古襲来と中世文芸
一 蒙古襲来に取材した文芸作品
二 神戦
三 軍忠状としての『八幡愚童訓』
第四章 今川了俊の教養形成
一 父・今川範国
二 師・京極為基
三 兼好、師・冷泉為秀
四 師・二条良基
第五章 九州探題今川了俊の文芸活動
一 南北朝期の大宰府と文芸
二 九州下向前後
三 京都・九州・大陸
四 晩年の述作活動
第六章 連歌師朝山梵灯の政治活動
一 将軍足利義満の近習
二 出家行脚と上使下向
第七章 巡歴の歌人正広と受容層
一 大内教弘の時代
二 守護領国下の巡歴
第八章 宗祇の見た九州
一 大内政弘の社寺対策
二 領国支配と連歌
三 『筑紫道記』にみる支配機構
四 連歌神参詣
五 菊池氏と相良氏
六 宗祇と薩摩
第九章 九州文芸の展開
一 天満宮炎上と飛梅伝説
二 宗碩の九州巡歴
三 貴族と国人の文化交渉
第十章 大宰大弐大内義隆
一 実隆・宗碩・国人
二 月次祈祷連歌
三 筥崎宮の奉納和歌
あとがき
解説(佐伯弘次)