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セラフィム 2億6661万3336の翼 《増補復刻版》(セラフィムニオクロクセンロッピャクロクジュウイチマンサンゼンサンビャクサンジュウロクノツバサゾウホフッコクバン) |
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未完の大作『セラフィム 2億6661万3336の翼』。
連載終了から24年、押井守が初めて今 敏を語った本音のインタビューを収録した“増補復刻版”として刊行決定!
2010年、世界的なアニメーション監督となった今 敏が、46歳の若さで亡くなりました。
本作品『セラフィム 2億6661万3336の翼』は、彼がまだ30代になったばかりの1994年から翌1995年にかけて、老舗アニメ情報誌「アニメージュ」(徳間書店)で連載され、その後、未完のまま封印がされていた作品です。
その後、雑誌連載終了から15年を経て、没年である2010年末に追悼企画として出版されました。
物語は近未来21世紀初頭。
地球上のあちこちで、肩甲骨が翼状に変容し、幻覚におかされる天使病という死に至る病が蔓延してきた。その感染によって世界中の各国では旧来の秩序は崩壊。宗教、経済、軍事など、さまざまな問題もはらみ、人の心の不安がむき出しとなった世界ーーー すべてが異端の地となった世界を、その「発端」をさぐるため、謎の少女セラと二人の男・バスタザル、メルキオル、そしてバセットハウンドのガスパルは、旅を続けていた。目指すは新疆ウイグル自治区南部にある中国最大の砂漠、タクラマカン砂漠ーーー。
天使、鳥、バセットハウンドーーー など。
作中で使われているモチーフを見れば一目瞭然ですが、押井守の原作として、宮崎駿氏による『風の谷のナウシカ』の長期連載が終了した「アニメージュ」誌で、その枠を継ぐ漫画作品として企画されたものです。
しかし、連載が1年を越えるころを境に、押井と今の対立が表面化します。
著者表記の「原作」が「原案」へと変化し、物語は完結を迎えないまま、全16回の連載が過ぎた1995年11月号で、唐突に終了します。
ほぼ同時期に、押井守は世界的評価を経た監督作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を発表。アニメーション監督に転身した今敏は1997年に、こちらも海外に大きな影響を与えた初監督作品『PERFECT BLUE』の公開に至ります。
本作品執筆を契機に残念ながら決別をすることとなってしまう二人の世界的クリエーター。
互いに長年口をつぐんでいたものの、このたびの《増補復刻版》では、その一方である押井守のインタビューを新規取材・収録するスペシャル版としてお届けします。
(c)押井守・今 敏