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世界初、書き下ろし暗号小説を暗号化した幻の奇書!
激レアな「解答編」小冊子付きで復刻!!
泡坂妻夫、中井英夫、日影丈吉という異色ミステリー作家3人による共著として1979年に刊行された『秘文字』。それぞれが「暗号を題材とした短編推理小説」を1本ずつ持ち寄り、さらにその本文全体を丸ごと暗号化してしまったという前代未聞の内容で、読者に二重の謎解きを挑んだ、知的遊戯の極致とも言える奇書中の奇書です。
帯に推薦文を寄せた寺山修司が「耽美的な陰翳をもつ『月蝕文学』の揃いぶみ」と評した著者3人の愛読者のみならず、ミステリーファンならば誰しも心惹かれずにはいられないことでしょう。
一見しただけではまるで不可解な文字や記号が果てしなく続く本文には、本書の装丁家でもある画家・建石修志による幻想的な挿画が2色刷りであしらわれており、「暗号」という仕掛けそのものが薫らす妖しげな香りをいっそう引き立てています。
巻末には『暗号大全』などの著書でも知られる暗号研究の第一人者・長田順行による「暗号法とその解き方」を収録。さまざまな暗号の種類とその解読法を、豊富な例図とともに紹介した論考で、それ自体が独立した1編の読み物として興味深い内容ですが、まずは本文の小説3作がそれぞれどの方式によって暗号化されたものなのかを、この論考を参照しながら見当をつけるところから『秘文字』への挑戦は始まります。
また、原本には読者ハガキが付属しており、これを出版社へ送ると、暗号を解読することで現れる短編小説の原文を収めた「解答編」小冊子が郵送で折り返しプレゼントされることになっていました。現在では『秘文字』の本体そのものが稀覯書となっていますが、とりわけこの小冊子も完備したものは、古書店やオークションなどでも入手困難になっています。
こうした事情もあって『秘文字』は、各著者の熱心なファンの間でも「噂には聞いたことがあるが実物は見たことがない」「見たことはあるが買えなかった」「そのような本の存在自体を知らなかった」といった声の高い“幻の本”となっています。今回、この珍無類の書物を、原本の2色刷り再現+「解答編」小冊子付きの仕様で復刻版として刊行いたします。
※1979年刊行の初版(B5判/函入り/ハードカバー)の復刻であり、1983年刊行の普及版(A5判/ソフトカバー)とは仕様が異なります。
▼収録内容
泡坂妻夫「かげろう飛車」
中井英夫「薔薇への遺言」
日影丈吉「こわいはずだよ狐が通る」
長田順行「暗号法とその解き方」