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タイトル |
クマはなぜ人里に出てきたのか(クマハナゼヒトザトニデテキタノカ) |
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大量出没と人身事故の増加でマスコミを騒がせるツキノワグマ。背景では何が起こっているのか? 著者が大切にしているのは「自分の眼で見て考える」こと。
クマの棲む山岳から里山まで丹念に調べ歩き、クマと人間との関係を読み解いていきます。「怖い」だけでは終わらせず、クマという生き物を知る面白さを考える一冊です。
はじめに
第1章 秋田県で何が起こっていたのか
ツキノワグマの大量出没
動物の多さは何の前兆なのか
山形県と秋田県での違い
起こっていることを確かめる
なぜ人里に出てくるのか
第2章 ツキノワグマとの出会い
自然への興味は昆虫から
ツキノワグマとの出会い
世界のブナの森を歩くなかで
ブナの新芽を食べるクマを撮りたい
試行錯誤の日々
ブナの樹上のクマを見つける
次々に見つかるクマ
経験を重ねてゆく
10年の時を経て
第3章 ツキノワグマの生活の全体像
断片をつなぎあわせて
1 春はブナに上る
2 クマ剥ぎ
3 さまざまな食べもの
4 ドングリを食べる
5 「クマの寝床」は本当にクマのものなのか
第4章 クマ狩りという文化
有害捕獲と狩猟は別のもの
春山でのクマ狩り
クマ狩りは雪崩地形で
集団で引き継がれた民俗知
第5章 再び、秋田県の現場で考える
専門家を現場に誘う
昼間に親子が出てくる理由
3つの大凶作
クリをすさまじく食べていた
クマが畑に出てくる
ソバを食べるクマ
ソバが食べられてしまった理由
山形県では姿が消えた
人身事故はなぜ増えたのか
いつまでもクマが出る
第6章 人とクマとの関係
結局のところ、何が起こっていたのか
クマの個体数は増えているのか
環境収容力の問題
アーバンベアは生まれていたのか
クマの変化は人間の生活の変化に対応していた
共存は生易しいことではない
どこで折り合いをつけるか
1 駆除もしくは狩猟による対策
2 狩猟以外の対策
第7章 長期的な視点では、何ができるか
駆除と保全が同時に必要な理由
生物多様性は低下している
確保すべきは森林の「広さ」と「つながり」
1 森の広さ
2 森の連続性
不可逆的な開発が森を分断する
社会が乗り越えるべき壁
おわりに
あとがき