音楽全般に関しての幅広い知識を独学で身につけるのは、意外と難しいものです。複数の専門書を選び出して読んでいくにしても、音楽についての百科事典をくまなく読むにしても、効率度外視の根気と時間が要求されてしまいます。
そこで、一般に知っておくべき音楽の知識を順序立てて解説しているのが、この『一般音楽論』です。音楽全体を俯瞰的に捉え、音楽理論から歴史や様式、音響物理など、音楽に関する項目を幅広くカバーしています。音楽を専門的に学ぶ学校のカリキュラムのうち、実技や演習を除いた"座学"における一般的な内容を取り扱っているため、この本に書かれている各項目を理解することができれば、広範な知識が十分身に付いていると言えるでしょう。
純粋な音楽理論から音楽の構造、宗教や歴史といった人文科学や社会科学、音響物理などの自然科学に至るまで様々な事項を取り扱っているため、知識を会得するだけでなく、読み進めていくたびに音楽に対する新しい視点を持てるようになり、これまでよりさらに深く音楽鑑賞や制作、演奏を楽しめるようになるでしょう。
第一編 旋律と和声
I 調の旋律
II 短調の旋律
III 和音
IV 和声の基礎
V 和音の機能
■第二編 和声の拡張
I 調の選択
II 転調
III 調性外の音高を用いる和声
■第三編 拍と拍子
I 拍の連なり
II テンポ
III 二拍子と四拍子
■第四編 拍子の拡張
I 複合拍子
II 混合拍子
III 可変拍子
IV ポリリズム
V 音楽ジャンルとリズムパターン
■第五編 音楽のテクスチュア
I 三種類のテクスチュア
II モノフォニーと教会旋法
III ポリフォニーと対位法
IV その他のテクスチュア
■第六編 音楽の形式
I 終止とフレーズ
II 様々な形式
III ポピュラー音楽の構成
IV ジャンル別の楽曲構成
■第七編 音楽の編成
I 小規模の編成
II 大規模な編成
■第八編 音楽の様式
I 音楽の標題
II ポストトーナルの音楽
III 新しい音楽の表現
■第九編 音の正体
I 音の発生
II 音の大きさ
III 音の高さ
IV 音色
■第十編 音律
I 音楽における周波数
II ピタゴラス音律とその変形
III 平均律とセント