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タイトル |
カラ・テペ テルメズの仏教遺跡(カラテペ テルメズノブッキョウイセキ) |
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立正大学ウズベキスタン学術調査隊は、ウズベキスタン共和国科学アカデミー芸術学研究所と調査に関する合意書をかわし、同国スルハンダリヤ州テルメズ郊外に位置する仏教遺跡カラ・テペの発掘をおこなった。カラ・テペの創建年代は、クシャン朝のヴィマ・タクト(ソテルメガス)統治の1世紀半ばもしくはカニシカ1世統治の2世紀頃とされる。一方、その寺院としての廃絶時期は、4世紀頃と推測されてきた。
発掘は2014年から2017年の毎9月におこなわれた(全4回)。 カラ・テペ遺跡における調査地点は、北丘に構築された仏教伽藍のうち中心部に位置する僧院の西側回廊の隣接部分であった。調査によって出土した遺物は、数百点の土器片を主体として、若干の金属製品、石製品の破片、壁画の一部、人骨などであった。また、レンガ内の骨片と土壌の炭の放射性炭素年代測定の結果を得て、カラ・テペ寺院北丘の建造物の年代測定に関する仮説を立てた。
第1部 カラ・テペ調査報告(2014〜2017)
第1章 立正大学ウズベキスタン学術調査隊の発足とその目的
第2章 カラ・テペ遺跡の調査経過
第3章 北部バクトリアの仏教遺跡研究の現状と課題
第4章 カラ・テペ遺跡の概要
第5章 カラ・テペ遺跡北丘の調査
第6章 カラ・テペ遺跡北丘の出土遺物
第7章 発掘調査のまとめ
第1部 引用・参考文献
附 編 放射性炭素年代測定分析結果報告書
PLATE
第2部 カラ・テペ遺跡の出土品および周辺遺跡に関する各論
本間岳人 カラ・テペ遺跡北丘中央僧院の構造
安田治樹 カラ・テペ新出の壁画─東トルキスタン遺存作例との比較から
池上 悟 カラ・テペ遺跡出土の礎石と灯明皿の様相 周辺遺跡出土品との比較を中心に
吉田 豊 陶片のバクトリア語銘文について
Stefan Baums Six New Inscribed Potsherds from Kara-tepa(カラ・テペ出土の6点の有字陶片について)
島津 弘・大石雅之・原 将也 スルハンダリヤ地域の自然地理的環境
手島一真 仏教伝播の一齣 フェルガナ/クワ出土遺物から、ホータンへ、さらに長安へ
加藤九祚氏追悼
立正大学ウズベキスタン学術調査隊 2014-2017年 調査参加者
執筆者略歴
露文要旨
英文要旨