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タイトル |
表象のベトナム、表象の日本(ヒョウショウノベトナムヒョウショウノニホン) |
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今、停止した景色の先に、グローバリゼーション、国際化、多文化共生といった物語を秘めた言葉の揺らぎ、亀裂が見え隠れしている。
地理的に離れた空間が消費と市場の働きにより急速に関係付けられてきたこと、異なる文化の表象の形成は双方の歴史的・社会的要因によること、そして、互いの表象は表裏の関係にあること…これら三つのテーマを通じ、地方におけるトランスナショナルな空間を記述し、グローバリゼーションがもたらした空間の変容と、空間の表象に潜む意識を批判的に明らかにする。
序 章 停止した景色
停止した景色/異文化のイメージ/熊本の実習生たち/本書のなりたち
第1章 この本について
トランスナショナルな空間の記述/不可視の存在/異文化適応とイメージの形成/観光ビジネスによるイメージの形成/空間と表象/表象のベトナム
第2章 彼らの見た景色
東京の景色/ナショナリティとしての移民政策/農家の景色/不可視の労働者/もう一つのグローバリゼーション/二つの空間/日系人の見た景色/中国人の見た景色/ベトナム人の見ている景色
第3章 構造的移民
構造的移民/排除型社会/体感治安/メディアの表象と不可視化/労働力輸出の背景/帰国後の再統合/非熟練労働という選択/新たな空間
第4章 イメージとしての日本
イメージと適応/誰に、どう見られたいのか/適応研究の課題/ベトナム人実習生の対日意識調査/日本イメージの形成/都市性と中心性/都市とディアスポラの公共圏/RITO RITOにおける都市の表象/権威主義と階層構造/権威主義とポストコロニアリズム
第5章 イメージとしてのベトナム
大学生の外国人イメージ/日本人は誰を見ているのか/アジア・イメージと差異化/二項対立の心象地理/大学生のベトナム・イメージ/エコツーリズムとベトナム・イメージ/オリエンタル・アジア/誰の美意識なのか/フレンチ・コロニアル
第6章 二つの権利のために
都市性とオリエンタル・アジア/権威主義とフレンチ・コロニアル/二つの権利のために
あとがき
参考文献